令和8年度診療報酬改定は2026年6月1日に施行されます。今回の改定はリハビリテーション領域において「過去最大級」とも言われる変更が含まれており、現場への影響は小さくありません。
この記事では、PT・OT・STの実務に直結する主要な変更点をまとめます。各項目の詳細は個別の解説記事にリンクしています。
📋 改定の全体的な方向性
今回の改定キーワードは「離床」と「アウトカム」。単位数を稼ぐ介入から、実際に患者の機能回復・生活再建につながる質の高いリハビリへ——という厚労省の意図が随所に反映されています。
① ベッドサイドリハビリ(離床を伴わない訓練)の減算
要注意
離床なし・20分以上の個別療法は10%減算・1日2単位上限
脳血管・廃用・運動器・呼吸器・心大血管の疾患別リハビリにおいて、離床を伴わずに20分以上の個別療法を実施した場合、所定点数の90%で算定(10%減算)。さらに1日2単位を上限とする規定が新設されました。ただし状態によって除外規定あり。疑義解釈(その2)で該当患者の詳細が示されています。
→ ベッドサイドリハ減算の詳細・除外条件はこちら
② 早期リハビリテーション加算の見直し
拡充
3日以内は25点→60点に増点。算定期間は14日に統一
早期リハビリテーション加算が大幅に見直されました。主な変更点は以下の通りです。
【点数の変更】
入院から3日以内:25点 → 60点(35点増)
入院4日目以降:25点のまま維持
【算定期間】
入院した日から起算して14日目までに統一。他院からの転院患者は転院前の入院日が起算日となります。
【注意点】
2026年6月1日時点で既に早期リハ加算を算定中の患者は、起算日を変更しません。6月1日時点で15日目以降の患者は加算の算定が不可となります。また、ベッドサイドリハ(離床なし)の場合でも、早期リハビリテーション加算を算定中の患者は減算の除外対象となります。
【点数の変更】
入院から3日以内:25点 → 60点(35点増)
入院4日目以降:25点のまま維持
【算定期間】
入院した日から起算して14日目までに統一。他院からの転院患者は転院前の入院日が起算日となります。
【注意点】
2026年6月1日時点で既に早期リハ加算を算定中の患者は、起算日を変更しません。6月1日時点で15日目以降の患者は加算の算定が不可となります。また、ベッドサイドリハ(離床なし)の場合でも、早期リハビリテーション加算を算定中の患者は減算の除外対象となります。
③ 休日リハビリテーション加算の新設
新設
入院患者の土日祝リハビリに25点/単位を加算
休日リハビリテーション加算(25点/単位)が今改定で新設されました。主な要件は以下の通りです。
【対象】入院中の患者(外来リハビリのみの診療所は算定不可)
【算定期間】起算日から30日目まで
【対象日】土曜日・日曜日・祝日
施行後にリハビリ総合実施計画書の様式も一部訂正されており、算定できない患者の条件も明示されています。入院設備を持つ医療機関で届出のうえ、施設基準を確認してください。
【対象】入院中の患者(外来リハビリのみの診療所は算定不可)
【算定期間】起算日から30日目まで
【対象日】土曜日・日曜日・祝日
施行後にリハビリ総合実施計画書の様式も一部訂正されており、算定できない患者の条件も明示されています。入院設備を持つ医療機関で届出のうえ、施設基準を確認してください。
④ リハビリテーション計画書・評価料の変更
変更
説明・署名のルールが見直し
これまで「医師が説明し、患者が署名する」とされていたリハビリテーション実施計画書の手続きが見直されました。「多職種が説明し、記録で確認する」形に変更されています。書類の様式も一部訂正されており、自施設の運用フローの確認が必要です。
変更
リハビリテーション総合計画評価料が「初回」と「2回目以降」に区分
リハビリテーション総合計画評価料の評価が2区分に整理されました。
評価料1と評価料2の切り替えは、標準的算定日数の「3分の1」が基準です。脳血管・廃用・運動器など介護保険あり患者の場合、3分の1を経過すると評価料2へ切り替わります。心大血管・呼吸器・がん・認知症は介護保険の有無に関わらず常に評価料1が適用されます。どちらも初回が高く設定されています。
| 初回 | 2回目以降 | |
|---|---|---|
| 評価料1 | 300点 | 240点 |
| 評価料2 | 240点 | 196点 |
⑤ 看護・多職種協働加算の新設
新設
急性期病棟での多職種追加配置を評価する加算が新設
急性期病棟において、看護職員に加えてPT・OT・STなどの多職種を追加配置した体制を評価する「看護・多職種協働加算」が新設されました。
たとえば50床の病棟で、10対1の看護配置に加えてさらに25対1で2名追加配置する形のイメージです。この追加の2名にPT・OT・STが含まれてもよいとされています。
表向きの意図は「連携強化」ですが、現場視点では人手不足対応の側面もあります。看護師不足の中で病棟を回すために多職種を組み込む仕組みとも読めます。みなし単位(訓練外業務の可視化)と方向性が重なっており、「療法士が訓練室の外でも役割を持つ」という流れが強まっています。
リハ三協会(PT・OT・ST協会)は実践指針を公表し、「3療法士は恒常的な介護業務や生活介助を担うものではない」と明記しました。役割が拡大する中で専門性をどう守るか、現場での事前の合意形成が重要です。
→ 看護・多職種協働加算の詳細・リハ職の役割を考える記事はこちら
たとえば50床の病棟で、10対1の看護配置に加えてさらに25対1で2名追加配置する形のイメージです。この追加の2名にPT・OT・STが含まれてもよいとされています。
表向きの意図は「連携強化」ですが、現場視点では人手不足対応の側面もあります。看護師不足の中で病棟を回すために多職種を組み込む仕組みとも読めます。みなし単位(訓練外業務の可視化)と方向性が重なっており、「療法士が訓練室の外でも役割を持つ」という流れが強まっています。
リハ三協会(PT・OT・ST協会)は実践指針を公表し、「3療法士は恒常的な介護業務や生活介助を担うものではない」と明記しました。役割が拡大する中で専門性をどう守るか、現場での事前の合意形成が重要です。
⑥ みなし単位(リハ外業務の単位算定)
慎重に見る
訓練以外の業務を20分合算で1単位とみなす整理が入った
専従のPT・OT・STが行う記録作成・移動・退院時家族指導・介護施設等への助言などの訓練外業務を、20分合算して1単位とみなす整理が入りました。
ただし注意が必要です。「1単位とみなす」ことと「レセプト請求できる」ことは別の話です。請求可否は今後の疑義解釈を要確認。もし請求不可であれば、評価の拡大ではなく個別リハの請求枠を圧迫する論点になりかねません。現時点では慎重に見ておく必要があります。
ただし注意が必要です。「1単位とみなす」ことと「レセプト請求できる」ことは別の話です。請求可否は今後の疑義解釈を要確認。もし請求不可であれば、評価の拡大ではなく個別リハの請求枠を圧迫する論点になりかねません。現時点では慎重に見ておく必要があります。
⚠️ みなし単位のレセプト請求可否は未確定
施行(6月1日)時点でも疑義解釈が出ていない場合、自施設の判断で請求することにはリスクがあります。職能団体や都道府県の指導を確認しながら慎重に運用してください。
変更点の一覧まとめ
| 項目 | 変更内容 | 区分 |
|---|---|---|
| ベッドサイドリハ | 離床なし20分以上→10%減算・1日2単位上限 | 要注意 |
| 早期リハ加算 | 増点・要件整理 | 拡充 |
| 休日リハ加算 | 新設(25点/単位、入院患者・起算日から30日・土日祝) | 新設 |
| リハ計画書 | 説明・署名→多職種説明・記録確認へ | 変更 |
| 看護・多職種協働加算 | 新設 | 新設 |
| みなし単位 | 訓練外業務20分=1単位の整理(請求可否は要確認) | 慎重に見る |
この記事の情報について
本記事は2026年2月13日の中医協答申および厚生労働省公表資料・疑義解釈(その1・その2)をもとに作成しています。施行後に追加の疑義解釈が出る可能性があります。算定判断は必ず最新の公式通知を確認してください。
本記事は2026年2月13日の中医協答申および厚生労働省公表資料・疑義解釈(その1・その2)をもとに作成しています。施行後に追加の疑義解釈が出る可能性があります。算定判断は必ず最新の公式通知を確認してください。